第一章 はじめに:泥だらけの部活生から医学科合格を掴み取るまでの物語

こんにちは!
全国の医学部受験生をサポートする地方医学部オンライン塾ローカルメディの宮崎大学医学部医学科の湯浅祥平です!私は現在、白谷塾オンライン教室で講師として日々受験生の皆さんの指導にあたっています。実は、私自身が最初から勉強ばかりしていたような、いわゆるガリ勉タイプだったわけではありませんでした。高校時代は毎日、汗と泥にまみれて部活動に全力で打ち込んでいたのです。
夕方のグラウンドの土の匂いや、ヘトヘトになって帰宅する電車の中での重い疲労感は、今でも鮮明に思い出すことができます。周りのライバルたちが早い段階から予備校に通い、自習室で静かに受験勉強をスタートさせているのを横目に、私は毎日部活が終わってから机に向かっても、10分もしないうちに強烈な眠気に襲われて寝てしまうような、そんな現役生活を送っていました。
本格的に受験勉強を開始したのは、最後の大きな大会が終わってからのことです。周囲との圧倒的な勉強量の差に、言葉にできないほどの大きな焦りや底知れない恐怖を抱えていました。そんな泥臭い試行錯誤を重ねて、なんとか合格を勝ち取ることができ、現在は宮崎大学医学科で医師になるための非常に充実した学びの日々を過ごしています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今日は、毎日机に向かって一生懸命にペンを動かしている皆さんのために、大きく分けて2つのテーマについて本音でお話ししたいと考えています。
前半は、今まさに近づきつつある夏休みに向けて、どのように学習を進めれば秋以降に爆発的に成績を伸ばすことができるのかという、夏前の勉強習慣の確立と、本質的な学力を身につけるための計画の立て方についてです。
そして後半は、受験生の多くが直面しているであろう、スマホやSNSとのスマートな付き合い方という、避けては通れない現代の葛藤について、私のリアルな体験を交えながら語っていきます。
一般的に、学校の先生や予備校の進路指導の場などでは、「夏休みに入ったら、とにかく1日15時間勉強して、難しい応用問題にどんどんチャレンジしなさい」と言われることが多いと思います。
また、スマホとの向き合い方に関しても、「受験生なのだから、携帯電話は解約するか、今すぐ親に預けて完全に封印しなさい」といった、とにかく我慢を強いる極端なアドバイスが一般的です。
しかし、私はそれらの一般的な考え方に対して、自分自身の受験経験、そして現在の大学生活から、少しだけ疑問と新しい視点を持っています。
本当に、夏休み前に背伸びをして応用問題を解くことが正解なのでしょうか。そして、スマホは私たちの合格を邪魔するだけの、完全に排除すべき悪者なのでしょうか。
今、果てしなく高い医学部の壁を前にして、毎日自習室にこもっている高校生の皆さん。 さらに、朝から晩まで予備校の重苦しい空気の中で、自分の成績が本当に伸びるのか、先の見えない未来への恐怖に不安を抱きながら、日々の学習計画に悩んでいる浪人生や社会人受験生の皆さん。
よし、今日も1日頑張るぞと意気込んで自習室の椅子に座ったのに、ふと周りのライバルたちが難しそうな問題集を解いているのを見て、自分はこんな基礎的なことばかりやっていて本当に間に合うのだろうかと急に焦ってしまい、ペンを握る手が止まってしまうことはありませんか。
また、少し息抜きのつもりでスマホやYouTubeを見てしまった後に、「ああ、また今日も自分に負けて貴重な時間を無駄にしてしまった」と、自分を責めて強い罪悪感に押し潰されそうになっていませんか。
そんな風に思い悩んでしまうこと、ありますよね。そのお気持ち、私には本当に痛いほどよく分かります。私も受験生時代は、周りの優秀な人たちと自分を比べては自信を失い、スマホがやめられない自分に絶望して、見えない未来に怯えながら一人で葛藤していたごく普通の学生だったからです。
しかし、私が悩み抜いた末に宮崎大学医学科に合格し、実際に過ごしてきた日々を振り返ってみると、決して夏休みの前に難しい応用問題に手を出す必要はありません。そして、スマホというものも、自分の弱さを認めてルールを作ってあげれば、むしろモチベーションを劇的に引き上げ、苦手な分野を克服するための最強の武器に変えていくことができるという真実が見えてきます。
今日は、皆さんが心の中に抱えている、夏前の成績の伸び悩みに対する焦りや、スマホに対する罪悪感という深い悩みに優しく寄り添いながら、読んだ後に少しでも心が軽くなり、明日からの勉強が前向きになるような新しい視点を、私のリアルな体験を交えて丁寧にお話しさせていただきます。
第二章 夏休み前に絶対にやっておきたい合格のための勉強習慣の確立
1 部活に全力だった人が、引退後にスムーズに受験モードに切り替えるコツです
高校生活において、部活を最後までやり切るということは、それだけで本当に素晴らしい価値のある経験です。 宮崎大学医学科の学生の中にも、部活を引退するギリギリまで全力で汗を流していたという人が、実はたくさん存在しています。
高校の最後の大きな大会である高校総体(インターハイ)などが、夏休み前の5月や6月に控えている人も多いと思います。 そのような大会が控えている時期は、私は中途半端に受験勉強に時間を割くくらいなら、まずはその最後の部活に全力で打ち込んでほしいと考えています。 部活で培われた体力や、勝負に対する強い精神力は、引退後の過酷な受験勉強を支えるための何よりの強固な土台になるからです。
とはいえ、部活が完全に終わった瞬間に、 「さあ、今日から受験生だ!明日から1日10時間勉強するぞ!」 と意気込んでも、人間の脳はそんなに都合よく切り替わってはくれません。 これまで放課後はグラウンドを走り回っていた人が、突然静かな自習室で何時間も座り続けることは、肉体的にも精神的にも非常に大きな苦痛を伴います。
そこで、部活引退後にスムーズに受験モードに切り替えるための最も大切なコツは、 「まずは1週間、毎日決まった時間に勉強する場所へ行き、机の前に座る習慣を身につけること」 です。
最初は勉強の内容や質を気にする必要は全くありません。 夕方の17時になったら、とりあえず図書館や自習室に行き、自分の席を確保して、大好きな科目の教科書を開く。これだけで合格点です。 人間の体は、行動を繰り返すことでそのパターンを記憶していきます。 最初の1週間の泥臭い「場所と時間の習慣化」を徹底することで、脳が少しずつ「今は勉強をする時間なんだな」と認識するようになり、自然と机の前に座り続けることが苦ではなくなっていくのです。
2 なぜ夏休みという長い休みに入る「前」に習慣化を終わらせるべきなのでしょうか
夏休みが始まると、学校の授業が完全にストップします。 これはつまり、1日のうちで自分が自由に使える時間が、これまでの放課後の数時間から、1日中という膨大な時間に激変することを意味しています。
「いつでも勉強できるから、夏休みに入ってから本気を出して勉強習慣を身につければいいや」 と考える受験生が非常に多いのですが、ここには恐ろしい罠が隠されています。
結論からお伝えしますと、学校がない夏休みに入ってから、ゼロから勉強習慣を身につけようとすることは、はっきり言って不可能です。
なぜなら、人間は完全に自由な時間を与えられると、どうしても生活リズムを崩してしまい、朝遅く起きてダラダラと過ごしたまま、気づけば夕方になってしまうという、恐ろしい堕落のループに陥りやすいからです。 学校という「毎朝決まった時間に登校しなければならない」という強制力(ペースメーカー)がある今のうちに、放課後の勉強習慣をしっかりと作っておくことが決定的に重要なのです。
夏休み前の平日の放課後に、毎日3時間や4時間、安定して自習室に通う習慣が完成していれば、夏休みが始まった初日から、何の一生懸命な決意を必要とすることもなく、朝の9時から夜の9時まで、流れるようにスムーズに自習室で勉強をスタートさせることができます。 夏休みを「勉強習慣を作る期間」にしてはいけません。 夏休みという期間は、すでに完成している「勉強習慣という武器」を使って、これまで習ったすべての範囲の復習を怒涛の勢いで進めるための期間なのです。 この滑走路を夏休み前にどれだけ丁寧に舗装しておけるかが、夏のスタートダッシュの成否をすべて決定づけることになります。
3 覚えられる知識の量を決定づけるのは、結局のところ物理的な勉強時間です
よく教育の現場やネット上のアドバイスでは、「勉強は量より質が大切だ」と語られることがあります。 少ない時間で集中して効率よく勉強することが、最もスマートで素晴らしい合格への近道だというニュアンスです。
しかし、私はこの意見に対して、少しだけ懐疑的な視点を持っています。 なぜなら、特に医学部受験という、膨大な知識の暗記を必要とする過酷な戦いにおいて、 「覚えられる知識の量は、結局のところ勉強時間にほぼ比例する」 という冷酷な現実が存在するからです。
特に、文系科目における社会や国語の暗記分野、あるいは英語の英単語、英文法、そして古典の古文単語や漢文の句法といった分野は、どれだけ脳が優れていても、その知識に触れた回数と時間、すなわち「物理的な勉強時間」が不足していれば、絶対に定着することはありません。 1時間しか勉強しない天才が、12時間泥臭く暗記を繰り返した凡人に、知識の量で勝てるわけがないのです。
勉強の「質」を高めるということは、非常に大切なことです。 しかし、その質の高さというものは、十分な「勉強の量(時間)」という強固な土台があって初めて開花するものであり、量の不足を質だけでカバーすることなどできません。
ですから、受験生の皆さん。まずは、 「自分は1日に何時間、勉強机に向かってペンを動かすことができるか」 という、物理的な勉強時間に徹底的にこだわってください。 泥臭く、不器用であっても、時間を積み重ねることでしか、合格への道は開かれません。 「勉強習慣を身につけること」は、あなたがこれから膨大な量の知識を頭に流し込むための、最強の受け皿を用意する作業なのだと、まずはその重要性を胸に刻んでおいてください。
第三章 点数じゃなくて理解度を求める本質的な計画の立て方

1 点数を目標にすると、目先の浅いテクニックに走ってしまい、基礎力が崩壊します
皆さんは、これから夏休み、あるいは模試に向けて学習計画を立てるときに、どのような目標を設定しようとしていますか。 「夏の模試で英語の偏差値を60にする」 「次の定期テストで数学で80点を取る」 といった、具体的な「点数」や「偏差値」を目標に据えてしまいがちですよね。
しかし、この点数を目標にした計画には、受験生の基礎学力を根底から崩壊させてしまう、非常に大きな問題点が指摘されています。
結論からお伝えしますと、点数を目標に設定してしまうと、人間はどうしても「手っ取り早く点数を取りたい」という誘惑に負けてしまい、目先の浅い解答テクニックや、公式の丸暗記にばかり走ってしまうようになるのです。
例えば、共通テストの数学で早く解くための裏ワザのような手法や、英語の長文で文章を読まずに答えを推測するような小手先のテクニックばかりに目が向くようになります。 しかし、こうした浅いテクニックというものは、教科書レベルの基礎事項が完全に、深く理解できているという強固な前提(基礎力)があって、初めて本番のプレッシャーの中で牙を剥くことができる武器なのです。
基礎がグラグラしている状態でテクニックばかりを頭に詰め込んでも、試験問題の設定が少し変わったり、2次試験のような本格的な記述問題が出題されたりした瞬間に、全く太刀打ちできずに一瞬で点数は崩壊してしまいます。 目先の模試の点数に一喜一憂し、点数を取り繕うための浅い勉強を繰り返していては、いつまで経っても医学部合格に必要な、本質的な応用力が身につくことはありません。
2 私の提案:この夏は「理解できるようになった範囲」を目標の指標にしましょう
では、点数の代わりに何を勉強計画の目標(指標)にすれば良いのでしょうか。 私が強く提案したい新しい視点は、 「理解できるようになった単元の範囲や、完璧に覚えた知識の量を、目標の基準に設定すること」 です。
目に見える不確かな点数という数字を追いかけるのをやめて、 「自分の頭の中に、どれだけの確かな知識の引き出しが完成したか」 を、自分の成長のものさしにするのです。
例えば、数学であれば、以下のような目標の立て方をします。 「数2Bのベクトルの分野において、教科書レベルの問題であれば、どのような複雑な形であっても、すべて自分の手で白紙から、完全に論理的に解けるようになっている状態を目指す」
英語であれば、 「使っている英単語帳を1冊、最初のページから最後のページまでまるまる復習し、どのような小さな文字で書かれている派生語や、目立たない端っこの意味を尋ねられても、一瞬で正確に答えられる状態にする」
このように、自分の頭の理解度や暗記度を目標に設定するのです。 教科書レベル、あるいは標準的な問題集に載っている「基礎の範囲」を、誰に対しても完璧に説明できるレベルにまで仕上げる。このアプローチをとることで、あなたの勉強は、非常に真摯で、ブレのない強固なものへと変化していきます。
3 計画の具現化:目標の状態から逆算して、1日のページ数にまで細分化します
頭の理解度や暗記の状態を目標に据えたら、次に行うのは「それを日々の具体的な行動に落とし込む作業」です。 目標がいくら素晴らしくても、それを毎日のスケジュールに落とし込むことができなければ、ただの絵に描いた餅で終わってしまいます。
具体的な落とし込みの方法をご紹介します。
まず、あなたが「この夏前、あるいは夏休み中に完璧に仕上げる」と決めた、英語の単語帳や、数学の教科書レベルの問題集を用意してください。 そして、その全ページ数や、収録されている総問題数を実際に数えてみます。
例えば、数学の基礎問題集が全部で150ページあるとします。 そして、この問題集を夏休みが終わるまでの「30日間」で完璧に仕上げると仮定します。 この数字が出たら、全体から逆算して、 「150ページを30日で割って、1日あたりに完璧にこなすべきページ数は、5ページになる」 という具体的な数字を導き出すのです。
このように、大きな目標を「1日5ページ進める」という、目の前の一日のノルマにまで細分化してあげてください。 そうすれば、毎朝机に向かったときに、 「今日は何を勉強しようか」 と、余計なことで脳のエネルギーを消費する必要が完全になくなります。 やるべきことが明確になっていれば、迷うことなく、目の前の5ページを完璧に理解することだけに、あなたのすべての集中力を注ぎ込むことができるようになるのです。
一日のノルマが早く終わった日は、無理をしてそれ以上進めずに、体を休めたり、明日の予習を少しだけしたりする余裕を持たせるようにしてください。 「今日は予定していた5ページを完全に自分のものにできたぞ」 という毎日の小さな達成感の積み重ねこそが、焦りという底知れない不安をかき消し、あなたを合格へと運んでくれる最も確実な階段になってくれます。
第四章 スマホ・SNSのやめられない自分の弱さを認める優しさ
1 現役生の私は、携帯電話を完全にやめることが結局できませんでした
ここからは、後半の非常に重要なテーマである「スマホやSNSとの付き合い方」について、受験生の皆さんの心の内面に優しく、深く寄り添いながら、本音でお話ししていきたいと思います。
皆さんは、受験勉強をしている期間、 「合格するためには、スマホを完全にやめて、アプリも消去しなければいけない」 と、自分を厳しく追い込んでいませんか。 そして、どうしてもスマホを触るのをやめられない自分に対して、 「なんて自分は意志が弱くてダメな人間なんだ」 と、激しい自己嫌悪に陥っていませんか。
結論からお伝えしますと、現役時代の私自身、スマホやSNSを完全にやめることは、結局、一度もできませんでした。
高校生の私にとって、スマホは友人との大切な連絡ツールでしたし、YouTubeで色々な動画を見たり、SNSをチェックしたりすることは、日々の厳しい勉強の疲れを癒やすための唯一の楽しみだったからです。 「今日からスマホを親に預けて、完全に封印するぞ!」 と何度も心に決めてチャレンジしたのですが、結局は我慢の限界が来て、数日も経たないうちにスマホを取り戻してだらだらと見てしまう、という情けない失敗を何度も何度も繰り返していました。
ですから、スマホをやめられずに悩んでいる皆さん、どうぞ自分を責めないでください。 私たちの周りに溢れているスマホのコンテンツは、脳科学の専門家たちが「いかに人間を夢中にさせ、時間を奪い取るか」を極限まで計算して作り上げた、究極の誘惑マシンなのです。 そんな強大なトラップに対して、まだ若い皆さんが「自分の意志の力だけ」で対抗しようとしても、負けてしまうのは至極当然のことであり、決してあなたの人間性が劣っているわけではありません。
2 ストイックに「完全封印」しようとすることが、最大のストレスを生み出す悲劇です
学校の先生や、厳しい合格体験記などでは、 「スマホを解約してこそ、真の受験生だ」 「スマホを触っているような甘い奴は、絶対に不合格になる」 という、非常にストイックで冷酷なメッセージが発信されがちです。
しかし、私は、そのような「完全にスマホを封印する」という極端なアプローチは、多くの受験生にとって、かえって合格を遠ざける最大の原因になり得ると考えています。
なぜなら、それまで毎日当たり前のように使っていたスマホを、ある日突然、完全にゼロにしようとすると、私たちの脳には「想像を絶するほどの巨大なストレス」がかかってしまうからです。
スマホを触れないことによる強烈なイライラや、「今、友達の間で何が起きているのだろう」「あの最新の動画が見たいな」という、気になって仕方のない雑念が、自習室にいる間も常に頭の中をぐるぐると支配するようになってしまいます。 その結果、 「スマホを物理的に封印したせいで、かえって1ヶ月も2ヶ月も勉強に全く集中できなくなってしまった」 という、これ以上ないほどに本末転倒な悲劇が起きるケースが本当によくあります。
また、無理な我慢を重ねた反動で、ある日突然糸が切れたように、勉強を完全に投げ出して深夜までスマホを見続けてしまうという、燃え尽き症候群のような状態に陥ってしまうリスクもあります。 自分の現在の弱さを認めてあげること、そして、「完全にやめる」のではなく、「リフレッシュ程度に上手に使いながら、いかにマイナスの影響を最小限に抑えるか」という、柔軟で優しいアプローチこそが、長い受験生活を最後まで健康な心で戦い抜くための、本当の賢い大人の付き合い方なのだと、私は確信しています。
第五章 スマホを味方につけた2つの実体験!やる気30秒動画と空間認識を助けるYouTubeの奇跡

1 12時間自習のエンジンをかけた、たった30秒のやる気動画の力です
とはいえ、「スマホを上手に使おう」と言われても、 「具体的に、どうやって受験勉強にスマホを役立てればいいの?」 と、疑問に思う人がほとんどだと思います。
そこで、私が受験生時代に実践していた、スマホを排除するのではなく、むしろ合格するための強力なエンジンに変えていた「2つの具体的なプラスの活用法」をご紹介します。
1つ目は、「朝、どうしてもやる気が起きないときに、YouTubeなどの『やる気が出る系の短い動画』を見て、勉強のスイッチを強制的にオンにする方法」です。
受験勉強を進めていると、どれだけ強い決意を持っていても、 「今日は朝、目が覚めたけれど、どうしても体が重くて勉強机に向かいたくないな」 「今日は1日完全にフリーの自習日なのに、朝から全くモチベーションが上がらなくて、ベッドから出られないな」 という、やる気の底なし沼に落ちてしまう日が、誰にでも必ず、定期的に訪れます。
そんな時、私はベッドの中で、自分のスマホをぽんと開き、あらかじめお気に入り登録しておいた「やる気が出る動画」や「モチベーションが極限まで高まる映像」を、およそ30秒だけ、ぼんやりと眺めるようにしていました。
その短い動画の中では、同じように厳しい受験を乗り越えた人の熱いメッセージや、必死に机に向かっているライバルたちの映像、あるいは未来のキャンパスライフの輝かしい姿が、非常に心に響く形で編集されていました。
そのたった30秒にも満たない映像を観た瞬間、私の脳内には「よし、いつまでもダラダラしているのはもったいない、今日も1日頑張るぞ!」という、不思議な前向きなエネルギーがフツフツと湧き上がってきたのです。
ベッドから這い出して自習室に向かい、その日も目標としていた「1日12時間勉強」を、最後まで高い集中力を保ったままやり切ることができました。 「スマホのせいで勉強時間が奪われる」と怯えるのではなく、たった30秒のスマホの使用によって、その後の12時間という膨大な勉強時間を手に入れることができる。これほどまでにコストパフォーマンスが良くて素晴らしい、魔法のような道具は他にありません。 スマホは、あなたの使い方次第で、最高のモチベーション回復装置になってくれるのです。
2 空間ベクトルという巨大な壁を、YouTubeの視覚的な3D映像が粉砕してくれました
2つ目の活用法は、さらに実践的な学習効果についてです。 「スマホで勉強を理解する、苦手な科目の点数を劇的に引き上げる方法」です。
私は受験生時代、数学の中でも、特に「空間ベクトル」という分野が、どうしても理解できずに大嫌いでした。 空間ベクトルという分野は、2次元の平面の黒板や、教科書の静止画の図だけを見せられても、 「一体、このベクトルはどこをどう立体的に通っているのだ」 という、空間を頭の中で立体的に把握する能力(空間把握能力)が高くないと、問題のシチュエーションをリアルにイメージすることが非常に難しいのです。
自習室で参考書の白黒の解説図を何時間睨みつけても、全く理解できずに「もうダメだ、自分には数学の才能がない」と、頭を抱えて諦めかけていました。
そんなとき、私はスマホを開き、YouTubeで「空間ベクトル わかりやすい イメージ」と検索をしてみました。 すると、そこには、 「回転する3Dグラフィックスのアニメーションを使いながら、空間ベクトルがどのように交わり、どのように立体的な図形を作っているのかを、視覚的にこれでもかというくらい分かりやすく編集された授業動画」 が、たくさんアップされていたのです。
その動画を、自分のスマホの画面でじっと眺めていた時、私の頭の中に衝撃的な雷が落ちました。 「あ、なるほど!この立体交差は、こういう角度から見れば、こんなにシンプルな平面の長方形として捉えることができるんだな!」 と、それまで何時間悩んでも分からなかった本質的な構造が、わずか数分の動画を観ただけで、驚くほどスッキリと、かつ立体的に腑に落ちたのです。
この「あ、分かった!」という小さなアハ体験をきっかけに、私は空間ベクトルに対する苦手意識が、完全に、一瞬で消え去りました。 それまで模試でほとんど0点しか取れなかったベクトルの大問が、次の模試からは安定して20点、30点と高得点をむしり取れる、私の最強の得意分野(得点源)へと、劇的な大進化を遂げたのです。
教科書や参考書という、古くからの活字の教材だけで理解しようとすることは、不器用な私たちにとって、時に非常に高いハードルになります。 YouTubeに上がっている現代の高度な編集技術が施された動画教材は、静的なテキストでは表現できない「動き」や「立体的な構造」を、私たちの脳に直接、直感的に届けてくれます。 スマホの画面は、ただ遊ぶためのものではなく、あなたの目の前にある難解な公式の霧を、一瞬で晴らしてくれる「未来の黒板」なのだと、マインドを優しくアップデートしてあげてください。
第六章 スマホと付き合うための具体策:マイナスを減らし、プラスを最大化する私流ルール
1 睡眠を邪魔する枕元スマホを排除する、物理的隔離ルールを徹底します
スマホを味方につける素晴らしいプラスの側面をお話ししましたが、「とはいえ」、何に対策も立てずにスマホを自由に触っていては、やはり勉強時間は徐々に削られ、睡眠の質は著しく低下してしまいます。 これこそが、スマホが持つ「恐ろしいマイナスの側面」です。
そこで、私が実践していた、スマホのプラスの効果を100パーセント享受しつつ、マイナスの影響を極限までゼロにするための、非常にシンプルで効果的な「湯浅流のルール」をご紹介します。
まず、スマホがもたらす最大のマイナスは、「夜、布団の中に入ってから、枕元でだらだらとスマホを見てしまい、睡眠時間が削られ、翌日の集中力が崩壊すること」です。 スマホの画面から出ている強い光(ブルーライト)を浴びると、脳は「今は昼間なんだ」と勘違いしてしまい、睡眠を促すメラトニンという物質の分泌がストップしてしまいます。その結果、眠りが浅くなり、翌朝どんなに気合を入れても、自習室で激しい睡魔に襲われることになってしまうのです。
この睡眠障害を防ぐためのルールは極めてシンプルです。 「夜、布団に入る時は、スマホを自分の手の届かない、部屋の最も遠い場所、あるいは廊下のコンセントに差し込んで、充電した状態で眠りにつくこと」 です。
たったこれだけの工夫で、布団の中に入ってから「ちょっとスマホを見よう」という誘惑が、物理的に完全にシャットアウトされます。 睡眠の質は驚くほど劇的に高まり、翌朝はすっきりとした軽い体で、自習室へと向かうことができるようになります。翌日の12時間の集中力を守るために、夜のスマホとの距離感だけは、徹底的にコントロールしてあげてください。
2 アプリの通知をすべてオフにし、携帯を触る時間を1日に数回だけ意識的に確認します
もう一つのルールは、自習室で勉強している日中のスマホの管理についてです。 勉強中にポケットの中でスマホが「ブブッ」と優しく振動したり、画面に通知が表示されたりするだけで、私たちの集中力は完全に、一瞬で途切れてしまいます。
そこで、私は受験勉強を開始する段階で、
- SNSやメッセージアプリの、すべてのポップアップ通知を完全に「オフ」に設定する
- 勉強をする時は、スマホの電源をオフにするか、マナーモードにした上で、カバンの底の最も取り出しにくい場所にしまい込む
ということを徹底していました。
そして、スマホを確認する時間は、 「お昼ご飯を食べる時の15分間」 「夕方の少し長い休憩時間の15分間」 「家に帰って、お風呂に入った後のリラックスタイムの30分間」 というように、1日のスケジュールの中で、あらかじめ「スマホを見て良い時間」を、意識的に設定しておくのです。
「使ってはダメだ」と自分に禁止を課すのではなく、 「この時間に、大好きな動画を思いっきり楽しむために、今のこの3時間はスマホをカバンの奥に封印して、目の前の課題を圧倒的なスピードで片付けよう」 と、スマホをご褒美として賢くスケジューリングするのです。
マイナスの要素(通知による集中力の低下、睡眠不足)を、自分の行動ルールで綺麗に排除し、プラスの要素(やる気動画、学習用の3D解説)だけを、都合よくつまみ食いする。 このスマホとのスマートな共生関係を築くことこそが、現代の受験生が、合格に向けて他のライバルたちに圧倒的な差をつけるための、最高のライフハックなのだと、私は確信しています。
終わりに:自分だけの判断に頼らないで。周りの声を味方にして、最高の春を迎えましょう

今回は、私が宮崎大学医学部に合格するまでの泥臭い受験経験に基づいた、「夏休み前の放課後を利用した、一生ものの勉強習慣の身につけ方と、点数ではなく理解度を求める本質的な計画の立て方」について。 そして、多くの受験生が直面する「スマホという強大な誘惑を、我慢と根性で封印するのではなく、ルールを作って最高の武器に変えるためのプラスの活用法とルール設計」について、たっぷりと語らせていただきました。
読者の皆さんが今抱いている、「部活が終わったばかりで、周りの受験生から大きく遅れてしまっているという、底知れない焦り」や、「どうしてもスマホをやめられずに、自分を責めてしまう胸を刺すような強い罪悪感」は、かつて私が、泥だらけのユニフォームをカバンに詰め込んで、自習室で自分の実力のなさにため息をついていたあの頃と、何一つ変わりません。
しかし、今日お話ししたように、完璧な人間なんて、この世界には一人も存在しないのです。 夏休み前の今のうちに、放課後の数時間を活用して少しずつ「机に向かう習慣」を舗装しておき、模試の点数に惑わされずに「自分の頭の中にどれだけの理解の引き出しを作れたか」を目標にして進んでいけば、夏休みに入った瞬間、あなたは驚くほどスムーズに、最高のロケットスタートを切ることができるようになります。 そして、やめられないスマホは、決してあなたの敵ではありません。 たった30秒のやる気動画で脳にエンジンをかけ、YouTubeの素晴らしい3D映像で苦手な空間ベクトルを克服すれば、スマホはあなたの合格を優しく、強力に下から支えてくれる、最も頼もしい相棒(ツール)へと大進化を遂げてくれるのです。
最後に、受験を戦い抜く上で、私が最も大切にしてほしい、心からのアドバイスがあります。 それは、「決して、自分だけの狭い判断だけで勉強を進めないでください」ということです。
受験勉強というのは、時に視野が非常に狭くなってしまい、 「このやり方が絶対に正しいんだ」 「今の自分の計画だけで完璧なんだ」 と、独りよがりな判断に陥ってしまいがちです。
そんな時こそ、学校の信頼できる先生方や、予備校のアドバイザーの方、あるいは、私たちのような実際に受験を乗り越えた先輩たちの意見に、素直に、謙虚に耳を傾けてみてください。 「もっとこうすれば、早く理解できるよ」 「その参考書の前に、こっちの基礎をやった方が効率が良いよ」 という周りの温かいアドバイス(声)は、あなたの勉強のスピードを何倍にも加速させ、間違った暗闇のルートへ迷い込むのを防いでくれる、最高のコンパスになってくれます。
周りの人を頼ることは、決して恥ずかしいことでも、甘えでもありません。 多くの人の知恵を借り、それを素直に自分の力に変えていける人こそが、最終的に医学部合格という、果てしなく高い壁を美しく乗り越えていくことができるのです。
今、皆さんが机の上で、涙を堪えながら必死にペンを動かしているその1分1秒は、決してあなたを裏切りません。 あなたがすべての制限とスマホへの葛藤を乗り越えて、春に笑顔で医学部の門をくぐり、私たちと一緒に素晴らしい医師への道を歩き出せる日を、宮崎の地から心より応援しています。
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