こんにちは!
全国の医学部受験生をサポートする地方医学部オンライン塾、ローカルメディがお送りするラジオ番組、頭がすごく良くなるラジオのブログ版へようこそお越しくださいました。
宮崎大学医学部医学科の大許真菜です!私は決して最初から医学部合格が約束されていたようなエリートではなく、むしろ医学部を目指し始めるのがとても遅かったため、高校2年生までの基礎が完全にボロボロの状態で本格的な受験勉強をスタートさせました。現役時代の焦りや、思うように成績が伸びない苦しみ、そして浪人生活における孤独や葛藤を何度も経験し、それらを自分なりの工夫で乗り越えて、現在はここ宮崎大学医学部医学科で本当に充実した毎日を送っています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今日は、毎日机に向かって一生懸命にペンを動かしている皆さんのために、大きく分けて2つのテーマについて書いてみたいと思います。
前半は、受験の最大の天王山とも言われる夏休みに向けて、どのように学習を進めれば秋以降に爆発的に成績を伸ばすことができるのかという、夏休み前に絶対にやっておきたい具体的な勉強計画と基礎固めの極意についてです。現役生と浪人生では置かれている状況が少し異なりますので、それぞれの立場に合わせたリアルな戦略を丁寧に紐解いていきたいと考えています。
そして後半は、長くて過酷な受験勉強を最後の最後まで健康な心で戦い抜くための、勉強のご褒美や息抜きの付き合い方についてです。勉強を頑張ったときや、モチベーションが下がってしまったときに、どのように自分をコントロールしてメリハリをつけていたのか、私のリアルな体験を交えながら本音で語っていきます。
一般的に、学校の先生や予備校の進路指導の場などでは、「夏休みに入ってから、とにかく1日12時間以上勉強して、難しい応用問題や過去問にどんどんチャレンジしなさい」と言われることが多いと思います。また、息抜きに関しても、「受験生なのだから、合格するまでは1秒も遊んではいけない」「テレビやドラマを見る時間があるなら英単語を覚えなさい」といった、とにかく我慢を強いる根性論に近いアドバイスが一般的です。
しかし、私はそれらの一般的な考え方に対して、自分自身の泥臭い受験経験、そして現在の大学生活から、少しだけ疑問と新しい視点を持っています。
本当に、夏休み前に苦手分野を残したまま、夏休みに入ってから応用問題を解きまくるのが正解なのでしょうか。そして、受験生や浪人生は、1日たりとも息抜きをしてはいけないのでしょうか。遊んだり休んだりすることに、そこまで強い罪悪感を抱く必要があるのでしょうか。
今、果てしなく高い医学部の壁を前にして、毎日自習室にこもっている中高生の皆さん。 さらに、朝から晩まで予備校の重苦しい空気の中で、自分の成績が本当に伸びるのか、先の見えない未来への恐怖に不安を抱きながら浪人生活や再受験に挑んでいる社会人や浪人生の皆さん。
よし、今日も1日頑張るぞと意気込んで自習室の椅子に座ったのに、ふと周りのライバルたちが難しそうな問題集を解いているのを見て、自分はこんな基礎的なことばかりやっていて本当に間に合うのだろうかと急に焦ってしまい、ペンを握る手が止まってしまうことはありませんか。
また、少し疲れてスマホを見たりドラマを見たりしてしまった後に、「ああ、また今日も自分に負けて勉強時間を無駄にしてしまった」と、自分を責めて強い罪悪感に押し潰されそうになっていませんか。
そんな風に思い悩んでしまうこと、ありますよね。そのお気持ち、私には本当に痛いほどよく分かります。私も受験生時代は、周りの優秀な人たちと自分を比べては自信を失い、少し息抜きをするたびに「自分には医学部に受かる資格がないのではないか」と、一人で葛藤していたごく普通の学生だったからです。
しかし、私が悩み抜いた末に宮崎大学医学科に合格し、実際に過ごしてきた日々を振り返ってみると、決して夏休みの前に背伸びをして難しい応用問題に手を出す必要はありません。そして、息抜きというものも、ルールを決めて「場所」と「時間」のメリハリを正しくつけてあげれば、むしろ次の日の集中力を劇的に引き上げ、結果として成績をグングンと伸ばしていく最強のガソリンになるという真実が見えてきます。
今日は、皆さんが心の中に抱えている、夏前の成績の伸び悩みに対する焦りや、休むことに対する強い罪悪感という深い悩みに優しく寄り添いながら、読んだ後に少しでも心が軽くなり、明日からの勉強が前向きになるような新しい視点を、私のリアルな体験を交えて丁寧にお話しさせていただきます。
第一章 高校2年まで基礎ボロボロだった私が直面した、現役時代の焦りと現実

医学部を目指し始めた時期が遅かったことによる絶望
まずは、私が現役時代に直面した、リアルな苦悩と状況についてお話しさせてください。 私はそもそも、周りの多くの医学部受験生のように、早い段階からコツコツとお受験の準備を進めてきたわけではありませんでした。私が「お医者さんになりたい、医学部を目指そう」と本気で心に決めたのは、高校生になってからの、かなり遅い時期のことだったのです。
そのため、高校2年生までの勉強に対する姿勢は、本当に不真面目なものでした。学校の定期テストの前に、ただ赤点を回避するためだけに一夜漬けで公式を詰め込み、テストが終わった瞬間にすべて忘れてしまうような、そんな不真面目なやり方しかしていませんでした。日頃からコツコツと習った範囲を復習する習慣など、当時の私には微塵もなかったのです。
そんな状態で高校3年生になり、いざ本格的な受験勉強をスタートさせようとしたとき、私は自分の学力のあまりの低さに、目の前が真っ暗になりました。高校2年生までの内容が、基礎すら全く頭に残っておらず、仕上がっていない状況だったからです。周りの友達は、すでに基礎を終えて難しい応用問題のスラスラとした演習に入っているのに、自分は教科書の最初のページに戻って、公式の意味を1から確認しなければならない。この圧倒的な遅れと焦りは、私の心に常に冷たいナイフを突きつけているかのような、底知れない恐怖となって重くのしかかっていました。
現役生に立ちはだかる「勉強時間不足」という高い壁
現役生にとって、最も過酷な現実は、とにかく「自分だけの勉強時間を確保することが難しい」という点にあります。 平日は朝から夕方まで学校の授業がびっしりと詰まっていますし、学校によっては土曜日までも授業で潰れてしまうことが普通です。どんなにやる気があっても、自分で自由に使える時間は、放課後のわずかな時間しか残されていないのです。
このように、時間的な制約が極めて厳しい中で、高校2年生までのボロボロの基礎を埋めつつ、現在進行形で進んでいく高校3年生の難しい授業についていくことは、並大抵の努力ではできません。 「一体どこから手をつければいいのだろう」 「今の授業の復習だけで精一杯なのに、過去の苦手分野を振り返る時間なんてどこにもない」 そんな風に、日々の生活の忙しさに忙殺されながら、焦りだけが募っていくこと、ありますよね。私も現役時代は、毎日が終わるたびに「今日もやりたい勉強が半分もできなかった」と天を仰いでいました。しかし、この限られた時間の中で、秋以降に大逆転を収めるためには、夏休みが始まる前のこの時期の「過ごし方」こそが、すべての成否を分ける決定的な鍵になるのです。
第二章 現役生の夏休み前戦略:夏に「演習地獄」へ突入するための、賢い仕込み期間
なぜ夏休みの前に「苦手分野の理解」を終わらせるべきなのか
受験生の皆さんにとって、夏休みというのは、学校の授業が完全にストップして自分自身の勉強に没頭できる、1年の中で最も貴重な長期間の休みです。だからこそ、多くの人が「夏休みから本気を出して、難しい応用問題を解きまくろう」と考えて計画を立ててしまいがちです。
しかし、私はこの考え方に少しだけ警鐘を鳴らしたいと考えています。 夏休みに入ってから、難しい問題集を開いて、「あ、ここが分からないな」「この公式の根本的な意味が理解できないぞ」と、いちいち教科書や参考書に戻って立ち止まっていては、夏休みの貴重な時間がいくらあっても足りなくなってしまいます。 夏休みという素晴らしい演習期間を、ただの「基礎の確認作業」で終わらせてしまうことほど、もったいないことはありません。
ですから、現役生にとっての夏前の正しい戦略は、「高3で今習っている範囲を、習う度にその都度完璧に復習しつつ、夏休みまでに今まで習った範囲の苦手な分野をすべて炙り出し、理解を終わらせておくこと」なのです。
この夏前の時期は、地味で退屈な基礎の理解に徹底的に時間を費やしてください。自分がどこを分かっていないのか、どの公式の使い方が曖昧なのかを、じっくりと時間をかけて探っていくのです。この「仕込み」を夏休みより前に丁寧にやっておくことで、夏休みに入った瞬間、あなたは無駄な迷いを一切抱くことなく、ただひたすらに「問題演習」という、問題をとくことだけに100パーセント集中できるようになります。
数学と理科における「演習量」の本当の意味
なぜ夏休みにそれほどまでに問題演習の時間を集中して確保しなければならないのでしょうか。 特に、数学や理科という理系科目において、最終的な合格ラインを突破するために最も重要な要素は、何と言っても「圧倒的な演習量」だからです。
これを聞くと、 「理系科目はセンスや地頭が大切だから、演習量をこなしても意味がないのではないか」 「問題をたくさん解いたって、本番で同じ問題が出なければ解けないのではないか」 と不安に思う人がいるかもしれません。
しかし、それは大きな誤解です。 数学や理科の試験において、難問をスラスラ解いている人が、その場で天才的なひらめきを発揮していることはほとんどありません。彼らがやっているのは、自分の脳内にある過去の経験の引き出しから、最も適した解法を瞬時に取り出す作業なのです。
もちろん、入試問題のすべての解き方を機械的に丸暗記するわけではありません。しかし、 「あ、この設定の問題は、昔解いたあの問題のこの部分と全く同じだな」 「こういう状況の時は、この解法パターンでアプローチすればうまくいった経験があるな」 というように、「やったことがあるからこそ、正しいアプローチが直感的に思いつく」というケースが、記述試験の大部分を占めています。
つまり、どれだけ多くの問題に触れ、どれだけ手を動かして泥臭く格闘してきたかという、夏休みにおける「演習の絶対量」こそが、本番でのひらめきを物理的に生み出すための絶対的な必要条件になるのです。 だからこそ、夏休みをこの演習の爆発期にするために、夏休み前の今のうちに、苦手な分野を思い出し、公式の本質を理解するための時間を十分に確保しておくことが何よりも大切なのです。
第三章 浪人生の夏休み前戦略:アドバンテージを最大化する全範囲の基礎コンプリート

浪人生だけが持つ、現役生に対する決定的な武器
次に、浪人生の皆さんにとっての夏休み前の過ごし方についてお話しします。 浪人生は、現役生に比べて、毎日が完全に自分の自由な時間であり、学校の退屈な行事や日々の授業に振り回されることがありません。この時間的な余裕だけでも大きな強みですが、浪人生には現役生に対して、もう一つ「決定的に有利なアドバンテージ」が最初から備わっています。
それは、「すべての受験範囲の勉強を、すでに1周終わらせている」という事実です。
現役生の場合、特に理科(物理・化学・生物など)に関しては、高校3年生の非常に遅い時期、ともすれば11月や12月といった受験の直前のギリギリ後半になるまで、すべての教科書のカリキュラムが終わらないという学校が全国的にも少なくありません。彼らは、全範囲を終わらせるだけで手一杯になり、実践的な演習に入る時間が圧倒的に不足しているのです。
この現役生の弱点に対して、浪人生の皆さんは、すでにすべての範囲の全体像を一度は見て、経験しています。この差を、単なる過去の経験で終わらせてはいけません。 浪人生の夏前の目標は、「夏休みに入るまでに、全範囲の基礎を完全に、1つも漏れなく固め切ること」です。 理科のすべての単元、数学のすべての分野において、基礎的な問題であればいつでもスラスラと解ける状態を、この夏前の時期に完成させておくのです。この段階的なアプローチこそが、現役生に対して、追いつくことのできない絶対的な差(アドバンテージ)をつけるための最善のルートになります。
夏休みに2次試験レベルの思考力問題にがっつり挑むための準備
夏休み前にすべての基礎を完全に固め切った浪人生は、夏休みに突入した瞬間、現役生とは全く異なる次元の勉強をスタートさせることができます。
現役生がまだ「共通テストの基礎レベルの問題をミスなく解くこと」に必死になって取り組んでいる横を、浪人生は、志望大学の記述式2次試験レベルの、より深い「思考力を問うような難解な問題」のがっつりとした演習で、颯爽と駆け抜けていくことができるのです。
共通テストレベルの基礎問題が解けるのは、医学部受験においては単なるスタートラインに過ぎません。本当に差がつくのは、2次試験における高度な論述や、複雑な状況設定をロジカルに解き明かす思考力です。 夏休みの40日間というまとまった時間を、この思考力特訓にすべて費やすことができれば、秋以降の模試の判定は、言うまでもなく圧倒的なA判定へと収束していきます。 そのためには、夏休みに入ってから「基礎のやり直し」をやっていては絶対に間に合いません。 浪人生の皆さん、今この瞬間から夏休みが始まるまでの時間を、すべての基礎を網羅するための最後の徹底的な見直し期間として、強い自覚を持って過ごしてください。
第四章 浪人生の心を蝕む「罪悪感」との戦い。息抜きは本当に悪なのか
早く帰ってドラマを見た次の日の、胸を刺すような自己嫌悪
さて、ここからは後半のテーマである、皆さんが日々の受験勉強を進める中で、誰にも相談できずに一人で悩んでいるであろう「息抜きとご褒美、そして罪悪感」という、心の内面のリアルな葛藤についてお話ししていきたいと思います。
浪人生、あるいは本気で医学部を目指して自分を極限まで追い込んでいる受験生にとって、 「勉強を休むこと」 「自分の好きなことをして楽しむこと」 は、まるで犯罪でも犯しているかのような、非常に強い恐怖と結びつきがちです。
私も浪人時代、どうしても勉強のモチベーションが上がらず、疲れ果ててしまった時期がありました。そんな時、 「今日はいつもより2時間早く塾を出て、家でお気に入りのドラマを1本だけ見よう」 と決めて、少しだけ早く帰宅し、自分の時間を楽しんだことがありました。 その時間は、確かに楽しかったですし、久しぶりに心が解放されたような気がしました。
しかし、本当に辛いのは、その楽しい時間が終わった「次の日の朝」でした。 目が覚めた瞬間から、 「ああ、私は昨日、他のライバルたちが必死に勉強している時間に、だらだらとドラマを見て遊んでしまった」 「こんなに甘えている自分は、きっと来年も不合格になってしまうのではないか」 という、恐ろしいほどの強い自己嫌悪と罪悪感が、胸をキリキリと刺してくるのです。 自習室に行っても、昨日サボってしまった自分に対する怒りと焦りで頭がいっぱいになり、かえって勉強に集中できず、余計に辛い思いをしてしまう。そんな経験、皆さんも一度はしたこと、ありますよね。
息抜きを完全に排除する「完璧主義」がもたらす最大の悲劇
学校や予備校、あるいはネット上の厳しい合格体験記などでは、 「受験生に息抜きなど必要ない」 「1日15時間、365日休まずに勉強し続けた人だけが合格する」 という極端なメッセージが、さも正しいことのように語られがちです。
しかし、私は今だからこそはっきりと言えます。 「浪人しているからといって、息抜きをしてはいけない、遊んではいけないなんていうルールは、世界のどこにも存在しません」と、皆さんの傷ついた心にそっと優しく手を置いてあげたいと思います。
人間の脳や精神は、あなたが思っているほど頑丈にはできていません。 毎日毎日、朝から晩まで張り詰めた緊張感の中で、ただ無機質な数式や英単語だけを見つめ続ける生活を何ヶ月も続けていれば、いつか必ず、心のどこかの糸がプツリと切れてしまいます。 完璧主義に囚われて、一切の息抜きを自分に許さないでいると、ある日突然、ベッドから起き上がれなくなってしまったり、自習室に向かう途中で涙が止まらなくなってしまったりするような、最も避けるべき「燃え尽き症候群」に陥ってしまう危険性があります。
適度な息抜きを生活に取り入れることは、決して「甘え」や「怠惰」ではありません。 むしろ、ガチガチに緊張して疲弊した脳を一度リセットし、次の日から再び圧倒的な集中力で勉強に向き合うための、極めて前向きで合理的な「治療(メンテナンス)」なのです。 息抜きを上手に活用できる人こそが、最後の1月の本番まで、安定した高いパフォーマンスを維持したまま戦い抜くことができる。これこそが、私の泥臭い浪人生活から得た、非常にリアルな教訓の1つです。
第五章 些細なご褒美が生む奇跡。モチベーションが上がらない時期を乗り越えるマイルール

大きな約束はいらない。私を救ってくれた「些細なご褒美」の作り方
とはいえ、 「息抜きをしていいですよ」と言われても、 「じゃあ、毎日好きなだけゲームをして、遊んでいいのだな」と、際限なく休んでしまっては、当然ですが合格は遠のいてしまいます。大切なのは、自分を律しながらも、心が壊れないようにするための「ご褒美のコントロール」です。
私は受験生時代、自分へのご褒美を、本当にこまめに、よく作っていました。 それも、「模試でA判定を取ったら海外旅行に行く」といったような、果てしなく遠くて大きすぎるご褒美ではありません。もっと日々の、小さくて、簡単に手に入る「些細なご褒美」を、生活のあちこちに散りばめていたのです。
特に、勉強のモチベーションがどうしても下がってしまい、 「今日はどうしてもペンを握りたくないな」 という頑張れない時期こそ、この些細なご褒美が絶大な威力を発揮しました。
私が実際に作っていた具体的なご褒美ルールの1つに、 「1週間のうち、土曜日か日曜日のどちらかの夜だけは、お家に早く帰って大好きなドラマを1本だけ見る」 というものがありました。
この「たった1本のドラマ」という小さな光が、自習室の硬い椅子の上で、 「よし、この土日の夜の楽しみのために、平日のあと3日間を全力で駆け抜けよう」 という、日々の勉強を支える確かなモチベーションになっていたのです。
普段の過酷なルーティンと、ご褒美の日の温かいお味噌汁
ここで、私が浪人時代に毎日送っていた、普段の過酷な1日のスケジュールについてお話しします。
私の普段の生活は、本当に単調で、息の詰まるようなものでした。 朝早くに起きて、重いリュックを背負って塾に向かいます。 お昼ご飯は、塾の小さなスペースで、自分で用意した冷たいお弁当を静かに食べます。 そして、夕方からも自習を続け、夜ご飯は近くのコンビニで、おにぎりやパンをササッと買い、時間を惜しむように急いで口に放り込みます。 夜遅くの塾が閉まる時間まで、蛍光灯の白い光の下でひたすら机に向かい、深夜に家に帰ったら、ただ泥のように眠るだけ。毎日が、その繰り返しの連続でした。
しかし、ご褒美の日だけは、この過酷なルーティンが少しだけ、温かく変化します。
朝からいつも通り塾に行って勉強するのは、普段と全く変わりません。塾をサボることは絶対にしませんでした。 しかし、夜の帰宅時間だけを、いつもより少しだけ「早めにする」のです。
外がまだうっすらと明るい時間帯に自転車を走らせ、久しぶりに「夜ご飯の時間」にお家に帰ります。 玄関を開けた瞬間に鼻をくすぐる、お母さんが作ってくれた温かいお味噌汁や、出来立てのおかずの美味しそうな匂い。 テレビがついていて、家族の何気ない笑い声が聞こえるリビングで、みんなと一緒に温かいご飯を食べる。 そして、食後に少しだけ、お気に入りのドラマを見て、お風呂に入ってゆっくりと眠る。
普段の冷たいコンビニの夜ご飯に比べて、この「お母さんの温かいご飯を家で食べる」という本当に些細な出来事が、私の傷つき、凝り固まっていた心を、心の底から救ってくれました。 「頑張れない時期は、誰にだって必ず訪れます。そんな自分を責めるのではなく、こうした些細なご褒美を上手に自分にプレゼントして、心のガソリンを補給してあげながら、一歩一歩進んでいけばいいのですよ」ということを、今孤独と戦っている皆さんに優しく伝えてあげたいと思います。
第六章 スマホ・SNSの誘惑に打ち勝つ物理的距離と、大許流「場所と時間」のメリハリ術
スマホを見ちゃうなら、家に置いていけばいいじゃない
皆さんの受験勉強において、最も身近にあり、かつ最も恐ろしい最大の誘惑。 それは、ポケットの中でいつでも通知を鳴らせる状態にある「スマートフォン」や、そこから一瞬でアクセスできるSNS、YouTubeなどの動画コンテンツですよね。
「勉強中に、ついスマホが気になって見てしまう」 「ちょっと休憩のつもりでSNSを開いたのに、気づけば30分も時間が経っていた」 そんな失敗、誰もが一度は経験していると思いますし、私も全く同じでした。
私は元々、ゲームは全くしないタイプだったので、ゲームの誘惑はありませんでした。しかし、SNSやドラマといった誘惑には、本当に何度も負けそうになっていました。 そこで、私が現役時代に実践していた、極めてシンプルで効果的なスマホ対策をご紹介します。 それは、「どうしても気になってスマホを見てしまう時期は、朝、スマホを物理的に家に置いていく」という、究極の荒療治でした。
私の現役時代の学校は、携帯電話の持ち込み自体は認められていましたが、校内での使用は一切禁止されているというルールでした。 放課後、学校が終わったら、私はそのまま自転車を走らせて塾へと直行し、勉強をして夜に帰るだけという生活を送っていました。通学もすべて自転者での移動だったため、日常生活の中で、スマートフォンをどうしても必要とする場面が、実はほとんどなかったのです。
「手元にあるから、見てしまう」 「ポケットに入っているから、触ってしまう」 であれば、最初から物理的に手元にない状態を作ってしまえばいいのです。 朝、家を出る前に、自分の部屋の机の上にスマートフォンをぽんと置いていく。 これを行うだけで、自習室での集中力は、あなたが驚くほど劇的に高まります。 「スマホの通知が気になる」という無駄な脳のメモリーを完全にゼロにして、目の前の参考書だけに100パーセントの意識を集中させることができるようになるのですから。
家では絶対に勉強しない!衝撃の「場所的メリハリ」
最後に、私が受験生活全体を通して最も大切にし、合格への最大の要因になったと考えている「メリハリの付け方」についてご紹介します。 多くの勉強法の本などでは、「24時間いつでも勉強できるように、家でも机に向かいなさい」と指導されることが多いと思います。
しかし、私は「家では、絶対に勉強しない」という、全く逆の場所的メリハリを徹底していました。
なぜなら、私は元々、自分の部屋や家というプライベートな空間に帰ると、どうしてもダラダラしてしまい、集中して勉強を進めることができないタイプだと、自分の弱さを正確に自覚していたからです。 家で無理に勉強しようとしても、ベッドの誘惑やテレビの誘惑に負けてしまい、結局中途半端な勉強しかできず、自己嫌悪に陥るのがオチでした。
そこで、私は自分に対して、以下のような非常にクリアなルールを設定しました。
- ルール1:勉強をするときは、必ず家を出て、塾や自習室という「勉強するための場所」に行く
- ルール2:塾にいる間は、自分のやるべき目標を達成するまで、何があっても絶対に帰らない
- ルール3:家は「寝るためだけの場所」とし、家に帰ったら単語の暗記やリスニングなどの軽い作業以外は、一切の勉強をしない。ご褒美の日は早く帰って、一切の罪悪感なくトコトンゆっくり過ごす
この「場所のメリハリ」を徹底的に行うようになってから、私の勉強効率は驚異的に向上しました。 「家を出る」という物理的なアクションそのものが、私の脳にとっての「今から勉強モードに入るぞ」という強力なスイッチになりました。 そして、家に帰った瞬間には、すべてのタスクを塾でやり切っていますから、 「ああ、まだあの課題が終わっていないのに、自分は今休んでいる」 という、あの嫌な、ジクジクとした罪悪感を抱くことが完全にゼロになったのです。 休むときは全力で休み、やるときは場所を変えて死ぬ気でやる。 この「時間的なメリハリ」と「場所的なメリハリ」の2つを正しく生活の中に組み込むことこそが、受験という長く険しい道のりを、息切れすることなく走り抜けるための唯一にして最強のライフハックなのだと、私は確信しています。
終わりに:自分に優しく、時には厳しく。メリハリをつけて最高の春を迎えましょう
今回は、私が宮崎大学医学部に合格するまでの泥臭い受験経験に基づいた、「現役生・浪人生それぞれの、夏休みの演習量を最大化するための夏前の基礎固め戦略」について。 そして、多くの受験生が苦しむ「息抜きに対する罪悪感の乗り越え方や、些細なご褒美を上手に活用したモチベーション管理、スマホと物理的な距離を置くための場所と時間のメリハリ術」について、たっぷりと語らせていただきました。
読者の皆さんが今抱いている、「夏休み前に思うように基礎が仕上がっていなくて、本当に医学部に受かるのだろうかという底知れない焦り」や、「勉強を休んでしまう自分に対する、胸を刺すような強い罪悪感」は、かつて私が、実家のある宮崎を思いながら、塾の冷たい椅子の上で自分の不甲斐なさにため息をつき、お母さんの温かいご飯の匂いを恋しく思っていたあの頃と、何一つ変わりません。
しかし、今日お話ししたように、完璧な人間なんて、この世界には一人も存在しないのです。 夏休み前の今のうちに、高3の範囲をコツコツ復習して自分の苦手を見つけておき、浪人生はアドバンテージを活かして全範囲の基礎を一度終わらせておけば、夏休みにひたすら問題演習をこなすための準備はそれだけで十分に整います。 そして、過酷な受験生活を戦い抜くためには、自分をただひたすらに追い詰めるのではなく、1本のドラマや温かいご飯といった些細なご褒美を適度にあげて、場所と時間のメリハリをつけながら、一歩ずつ進んでいくことこそが、何よりの大切な近道なのです。
今、皆さんが机の上で、涙を堪えながら必死にペンを動かしているその時間は、決して無駄にはなりません。 その地道な、泥臭い努力の積み重ねこそが、将来、多くの患者さんの痛みに寄り添い、彼らの人生を優しく下から支えてあげられる素晴らしい医師になるための、何よりの強固な土台になるのです。
途中で心が折れそうになったり、自分の弱さに泣きたくなったりする日も、きっとあると思います。 しかし、あなたが今、その不安を堪えて、もう一歩だけ前に進もうとこの記事を読み、自分の生活を見直そうとしているその姿勢は、本当に立派で、何よりも美しい挑戦の姿です。
どうか、自分自身の秘めた可能性と、今日積み上げた小さな一歩を信じて、目の前の課題に全力で向き合ってください。 あなたがすべての葛藤と罪悪感の壁を乗り越えて、春に笑顔で医学部の門をくぐり、私たちと同じように素晴らしい医師への道を歩き出せる日を、宮崎の地から心より応援しています。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 一緒に頑張りましょう!ローカルメディでお待ちしております!
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