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全国の医学部受験生をサポートする地方医学部オンライン塾、ローカルメディがお送りするラジオ番組、頭がすごく良くなるラジオのブログ版へようこそお越しくださいました。
宮崎大学医学科のあおいんです!私は現役受験生の時代に、国公立大学である宮崎大学を本命としながらも、福岡大学や久留米大学、近畿大学、聖マリアンナ医科大学といった複数の私立大学医学部を併願し、様々な葛藤を抱えながら受験期を乗り越えてきました。そして、現在はここ宮崎大学医学部医学科で、とても充実した毎日を過ごしています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今日は、毎日机に向かって一生懸命にペンを動かしている皆さんのために、大きく分けて2つのテーマについて書いてみたいと思います。
前半は、今まさに近づきつつある夏休みに向けて、どのように学習を進めれば秋以降に爆発的に成績を伸ばすことができるのかという、夏休み前にやっておきたい具体的な勉強計画と基礎固めの極意についてです。
そして後半は、医学部受験を語る上で避けては通れない、医学部6年間の学費や受験料のシビアな現実、さらには私立大学医学部の特待制度や一癖も二癖もある面接試験の裏側について、私のリアルな受験体験を交えながら本音で語っていきたいと考えています。
一般的に、学校の先生や予備校の進路指導の場などでは、「夏休みはとにかく1日15時間勉強して、難しい応用問題にどんどんチャレンジしなさい」と言われることが多いと思います。
また、医学部の費用に関しても、「私立医学部はお金持ちだけの行く場所だから一般の家庭には関係がない」とか、「面接は志望理由書に書いたことをハキハキと喋ればそれで突破できる」といった、少し大雑把で表面的なアドバイスが一般的です。
しかし、私はそれらの一般的な考え方に対して、自分自身の受験経験、そして今の大学生活から、少しだけ疑問と新しい視点を持っています。
本当に、夏休み前から難しい応用問題を解きまくるのが正解なのでしょうか。そして、私立医学部はお金のない家庭にとって完全に閉ざされた道なのでしょうか。面接官が聞いてくる一見すると意図の分からない質問には、一体どのような意味が隠されているのでしょうか。
今、果てしなく高い医学部の壁を前にして、毎日自習室にこもっている高校生の皆さん。 さらに、朝から晩まで予備校の重苦しい空気の中で、自分の成績が本当に伸びるのか、先の見えない未来への恐怖に不安を抱きながら、膨大な学費の悩みを抱えて浪人生活や再受験に挑んでいる社会人や浪人生の皆さん。
よし、今日も1日頑張るぞと意気込んで机に向かったのに、ふと周りのライバルたちが難しそうな問題集を解いているのを見て、自分はこんな基礎的な問題ばかりやっていて本当に間に合うのだろうかと急に焦ってしまい、ペンを握る手が止まってしまうことはありませんか。
また、模試の冊子に載っている私立医学部の高額な学費一覧を見て、うちは普通のサラリーマン家庭だから、もし国公立に落ちてしまったら医師になる夢は諦めなければならないのだろうかと、一人で孤独な悩みを抱えていませんか。
そんな風に思い悩んでしまうこと、ありますよね。そのお気持ち、私には本当に痛いほどよく分かります。 私も受験生時代は、周りの優秀なライバルたちと自分を比べては焦り、自分の実家の経済的な状況を考えてはプレッシャーを感じ、先の見えない未来に怯えながら一人で葛藤していたごく普通の学生だったからです。
しかし、私が悩み抜いた末に宮崎大学医学科に合格し、実際に過ごしてきた日々や、当時の受験戦略を振り返ってみると、決して夏休みの前に背伸びをして応用問題を解く必要はありませんし、お金がないからといって私立医学部のすべての選択肢が閉ざされているわけでもないという真実が見えてきます。
今日は、皆さんが心の中に抱えている、夏前の成績の伸び悩みに対する焦りや、受験にかかる費用という重たい葛藤に優しく寄り添いながら、読んだ後に心がスッと軽くなり、明日からの勉強が少しでも前向きになるようなヒントを、私のリアルな体験を交えて丁寧にお話しさせていただきます。
第一章 夏休み前に絶対やっておきたい!夏に一気に学力を引き上げるための完璧な勉強計画法

なぜ今、傍用問題集なのか。その重要性を本気で語ります
受験生の皆さんにとって、夏休みというのはまさに天王山と呼ばれる、学力を飛躍的に向上させるための最大のチャンスの期間となります。 だからこそ、多くの人が夏休みに入った瞬間から、自分の実力よりも一段も二段も高い応用問題集や、志望校の過去問に手を出してしまいがちです。
「夏は応用力を鍛える時期だから、どんどん難しい初見の問題を解かなければいけない」というよくあるアドバイスを信じて、最初から難解な問題に挑戦する気持ちはとてもよく分かります。 しかし、ここには大きな罠が隠されています。
結論からお伝えしますと、夏休みに入る前のこの時期に、何よりも最優先でやっておきたいことは、「傍用問題集を徹底的にやり込むこと」です。
傍用問題集と聞くと、皆さんはどのようなイメージを持ちますか。 学校で配られるような、チャート式や、数学の標準問題精講といった、基礎から標準的な問題がたくさん収録されているお馴染みの問題集のことです。 「そんな基礎的な問題集、今さらやる意味があるの?」と思うかもしれませんが、これこそが、すべての応用力を支える最強の土台(基礎)になるのです。
実際に入試本番で出題される難しい応用問題というものは、実は全く新しい魔法のような知識で解くものではありません。 傍用問題集に載っているような、ありふれた基礎的な問題の解法パターンが、いくつも複雑に絡み合って作られているに過ぎないのです。
だからこそ、この夏休み前の2、3ヶ月の期間を利用して、傍用問題集を完璧に仕上げておくことが、夏休み以降の爆発的な成長へと繋がっていきます。 基礎が完璧になっていない状態で難しい問題を解こうとすると、問題が解けないだけでなく、解答を読んでも「なぜこの公式を使うのか」が理解できず、結局は基礎の復習に戻らざるを得なくなります。 そうすると、勉強の効率は著しく低下してしまいます。 逆に、夏休み前に傍用問題集を完璧に頭に叩き込んでおけば、夏休みに入ってから実際の大学の過去問や高度な応用問題に出会った時、驚くほどスムーズに、そしてスピーディーに解法を導き出せるようになります。 基礎を制する者こそが、最終的に医学部受験を制するのです。
挫折しないための具体的なスケジューリングと、日ごとのノルマの作り方
傍用問題集をやり切る、と決意したものの、その分厚い本を前にして、「一体どうやって進めればいいのだろう」と途方に暮れてしまうことがありますよね。 計画を立てずにただなんとなく解き始めると、途中で飽きてしまったり、夏休みまでに終わりそうにないと気づいて挫折してしまったりすることが本当によくあります。
そこで、私が実践していた、絶対に挫折しないための具体的な勉強計画の立て方をご紹介します。 その方法は、驚くほどシンプルですが、非常に強力です。
まず、あなたが「これを1冊やり切る」と決めた問題集を用意してください。 そして、その問題集の中に全部で何問の問題が載っているのか、あるいは全部で何ページあるのかを、実際にパラパラと数えてみてください。
例えば、全部で450問の問題が載っているとします。 そして、夏休みが始まるまでの残り時間を「10週間」と仮定してみましょう。 この全体の数字が出たら、次に行うのは「週ごとの割合の計算」です。
450問を10週間で終わらせるためには、1週間あたりに解かなければならない問題数は、単純計算で「45問」になります。 週ごとの目標が明確になったら、次はそれをさらに細かく「日ごとのノルマ」に落とし込んでいきます。
1週間のうち、勉強を進める日を6日間とし、予備日(調整日)を1日設けるとします。 そうすると、45問を6日で割ることになりますから、1日あたりに解くべき問題数は、およそ「7問から8問」ということになります。
どうでしょうか。 「450問の問題集を1冊完璧にする」と言われると、気の遠くなるような高い壁に感じられますが、「1日に7問ずつ、基礎的な問題を確実に解いていく」と言われれば、なんだか自分にもできそうな気がしてきませんか。
このように、大きな目標を細分化して、日ごとの具体的なノルマにまで落とし込むことで、毎朝机に向かった時に「今日は何を勉強しようか」といちいち悩む必要が完全になくなります。 やるべきことが明確になっていれば、脳のエネルギーを余計な雑念に使うことなく、目の前の問題だけに100パーセント集中させることができるようになります。
ここで勉強計画を立てる際に、絶対に気をつけていただきたい極めて重要なポイントがあります。 それは、「必ず無理のない範囲でノルマを設定する」ということです。
「医学部に行くのだから、毎日限界まで詰め込まなければならない」と気合を入れすぎて、1日のノルマをこなしきれないほどの量に設定してしまう人がいます。 しかし、終わらなかった計画は、ただの自己満足に過ぎず、何も意味を持ちません。 むしろ、計画が未達成に終わることで、「今日も予定通りにできなかった」という強い自己嫌悪に陥り、勉強に対するモチベーションが急激に低下してしまう原因になります。
ですから、計画を立てる時は、自分が1日に「これだけは確実に確保できる」という最低限の勉強時間を基準にして、少し余裕を持たせた最低限できるノルマを設定するようにしてください。 毎日確実にノルマをクリアし続けるという「小さな成功体験」の積み重ねこそが、あなたの自信を育て、勉強を継続させるための何よりの原動力になってくれます。
ノルマが早く終わった日はどうする?合格を勝ち取るためのもう一歩の進め方
無理のない範囲で、少し余裕を持たせたノルマを立てて実行していると、日によっては体調がとても良くて、予定していた1日のノルマが夕方や早い時間帯にサクッと終わってしまうことが多々あると思います。
その時、皆さんはどのように過ごしますか。 「よし、今日のノルマは全部クリアしたから、これ以上の勉強は終わりにして、ゲームをしたり、動画を見たりして遊ぼう!」 と、勉強を完全にやめてリフレッシュの時間にしてしまう人が多いのではないでしょうか。
確かに、頑張った自分を労うことは大切ですが、ここで他の受験生に圧倒的な差をつけるための「私の提案」があります。 ノルマが早く終わった日こそ、勉強をやめるのではなく、さらに一歩進んだ「攻めの勉強」をしてほしいのです。
具体的には、以下のような行動をとることを強くお勧めします。
- 提案1:明日以降のノルマを、前倒しでどんどん進めてしまう
- 提案2:志望大学の過去問や、少し難しい応用問題を「お試し」で数問解いてみる
- 提案3:他の苦手科目の復習や、英単語の暗記などに時間を充てる
傍用問題集をやる、と決めたならば、その1冊を「いかに早く終わらせるか」が、その後の受験戦略において決定的に重要となります。 前倒しで進めることができれば、週全体のスケジュールにさらに大きな余裕が生まれます。 そうすれば、途中でどうしても体調を崩して寝込んでしまった日があったとしても、計画全体が破綻することを防ぐことができます。
また、早く終わった余裕のある時間を利用して、「試しに志望大学の問題を解いてみよう」とチャレンジしてみるのも、非常に良い刺激になります。 今の自分と、目指すべきゴールとの距離感をリアルに肌で感じることで、 「あ、今日やった傍用問題集のこの知識が、実際の入試問題のこの部分で使われているんだな」 という大きな気づきを得ることができます。 そうすれば、明日からの傍用問題集への取り組み方が、さらに真剣で、深みのあるものへと変わっていくはずです。
基礎を完璧に仕上げた人だけが味わえる、秋以降の爆発的な成長ストーリー
このようにして、夏休みが始まる前、あるいは遅くとも夏休みが終わる9月頃までには、選んだ傍用問題集を「最低でも3周」は繰り返し、基礎を完全に自分のものにしておいてください。 何度も何度も解き直し、問題文を見た瞬間に解法のプロセスが頭に浮かび、手が勝手に動き出すレベルにまで、徹底的に体に染み込ませるのです。
「3周も同じ問題を解くなんて、時間の無駄だし退屈だな」と思うかもしれません。 しかし、この徹底的な反復こそが、あなたの学力を爆発的に引き上げるための、最も確実で最速の近道です。
夏休み前の段階で基礎が完璧に固まっていると、秋以降に始まる本格的な二次試験対策や、志望校の過去問演習の時期に、驚くほどの絶大な効果を実感することになります。
周りのライバルたちが、過去問を解きながら「あ、この公式は何だっけ」「この基本事項を忘れてしまった」と、いちいち教科書に戻って立ち止まっているのを横目に、あなたは一切の迷いなく、高度な記述対策や、本番を意識した実践的な時間配分の訓練だけに、すべてのエネルギーを集中させることができるようになります。
基礎という強固な土台の上に、過去問演習や応用力という建物を建てていくわけですから、その建物の高さと頑丈さは、土台がグラグラしているライバルたちとは比べ物になりません。 模試の判定や偏差値が、秋から冬にかけて、信じられないほどの急角度でグングンと伸びていく快感は、この時期に泥臭く基礎を積み重ねた人だけが味わえる、最高の特権なのです。 どうか、目先の派手な応用問題に惑わされることなく、目の前にある傍用問題集という最高の相棒を、覚えるまでとことん愛し抜いてあげてください。
第二章 国公立と私立の学費はこんなに違う!医学部 6 年間の学費や授業料のシビアな現実
国公立大学という奇跡。年間約50万円で学べる環境のありがたさ
ここからは、お題ボックスから選んだ、皆さんが最も気になっているであろう「医学部6年間の学費や授業料のリアル」という、お財布の現実的な問題についてお話ししていきたいと思います。
私自身、受験生時代に医学部の学費について色々と調べる中で、その桁違いの金額に本当に腰を抜かした経験があります。 国公立大学と私立大学では、その学費の差は、まさに天と地ほどの違いが存在しています。
まず、私たち宮崎大学をはじめとする、全国の国公立大学医学部医学科の学費についてです。 国公立大学の場合、国が一律で定めている基準額というものが存在します。 多少の誤差はありますが、1年間の授業料は、一律で「およそ50万円から53万円程度」となっています。
つまり、医師になるための専門的な教育を、6年間の長きにわたって受けたとしても、卒業までに必要な授業料のトータル金額は「約300万円から400万円程度」に収まるのです。
これは、日本の最高峰の専門医療教育を受けられる環境としては、世界的に見ても驚くべき安さであり、まさに奇跡のような制度だと言えます。 一般的な家庭であっても、奨学金を借りたり、アルバイトをしたりすることで、親に過度な経済的負担をかけることなく、自力で医師を目指すことが十分に可能な金額です。 国公立大学を本命として目指すことは、それだけで、親に対する何よりの最大の親孝行になるのだと、私は自身の学生生活を通して常々実感しています。
1800万円から4700万円まで!私立大学医学部の恐るべき学費のリアル
「とはいえ」、国公立大学の医学部は、全国から並み居る天才たちが集まる超難関であり、合格を勝ち取ることは極めて困難です。 そこで、多くの受験生が視野に入れるのが、全国に「31校」存在する、私立大学の医学部医学科です。
私立医学部の学費は、国公立とは全く次元の異なる、恐ろしいほどの金額設定になっています。
現在、日本にある私立医学部の中で、6年間のトータルの学費が「最も安い」とされているのは、国際医療福祉大学です。 それでも、6年間の合計で「約1800万円」の学費が必要になります。 1年間あたりに換算すると、およそ「300万円」がかかる計算です。
そして、最も学費が高いとされている大学(例えば川崎医科大学など)では、6年間の合計金額は、なんと「約4700万円」にまで跳ね上がります。 年間で平均すると、1年間に「近1000万円」という、一般的な家庭の年収を遥かに超える高額な費用が、毎年淡々と引き落とされていくことになるのです。
これほどの高額な学費を支払えるのは、やはり両親が医師である家庭や、会社を経営しているようなごく一部の富裕層に限られてしまうのが現実です。 「医師になりたいけれど、家にはそんな大金はない」と、パンフレットを閉じてため息をついてしまう人の気持ちは、私にも本当によく分かります。 しかし、ここで諦めてしまうのはまだ早いです。 私立医学部の中にも、お金の悩みを解決して進学するための特別な道が、いくつか用意されているからです。
特待生制度や自治医科大学という、学費を抑えて医師になるためのもう一つの選択肢
私立医学部を目指す上で、まず知っておいてほしいのが「特待生制度(特待制度)」の存在です。 多くの私立医学部では、入試の成績が極めて優秀だった上位数名に対して、学費の全額、あるいは半額を免除する特待制度を設けています。
「それなら、特待生を狙って私立を受ければいいじゃないか!」と嬉しくなるかもしれません。 しかし、ここにもシビアな現実があります。
私立の特待制度について調べてみると、実際には「授業料が無料」と謳っていても、入学金やその他の諸経費で、年間「約200万円」近くの自己負担が発生することが多々あります。 さらに、特待生として選ばれるのは、学年の中でも成績上位の「わずか10名のみ」といった、極めて狭き門であることがほとんどです。 国公立大学に合格するよりも遥かに高い学力を要求されるため、一般家庭の受験生にとって、特待生を唯一の命綱にして私立を併願するというのは、かなり現実的なハードルが高いと言わざるを得ません。
「そうは言っても、学費をタダにしてお医者さんになれる私立はないの?」という疑問が出てくると思います。 実は、その夢のような条件を完全に満たしている、非常にユニークな私立大学が存在します。 それが、「自治医科大学」です。
自治医科大学は、私立の大学ではありますが、他の大学とは全く異なる独自の仕組みを持っています。 言わば、「全員が地域枠の学生」として入学するような場所です。 入試は都道府県ごとに行われ、それぞれの都道府県から「2名から3名程度」の優秀な学生が選抜されて合格となります。
そして、自治医科大学の最大の魅力は、合格者全員に対して「修学資金貸与制度」が適用されるという点にあります。 入学金、6年間のすべての授業料、さらには必要な教科書代に至るまでの全額が、大学から無償で貸与(実質的に支給)されます。 さらに、全員が寮生活を送ることになりますので、日々の生活費やアパート代などの心配をする必要もありません。 お金に困ることなく、勉学に100パーセント集中して医師免許の取得を目指すことができるのです。
「じゃあ、自治医科大学が最強じゃないか!」と思いますよね。 しかし、「とはいえ」、この素晴らしい制度の裏には、非常に大きな「制約(義務)」が課されています。
大学を卒業して医師免許を取得した後、あなたはお金を借りていた期間の1.5倍に相当する期間、すなわち「9年間」にわたって、自分が合格した都道府県の知事が指定する、僻地(へきち)や離島などの医師不足が深刻な指定病院において、地域医療に従事する義務が発生します。
この9年間という期間を、 「僻地の医療に若いうちから関わることができて、素晴らしい経験が積めるチャンスだ」 とプラスに捉えられる人にとっては、自治医科大学はこれ以上ない最高の選択肢になります。 しかし、 「若くて一番元気な時期に、自分の行きたい診療科や、働きたい都会の病院を自由に選べないのは嫌だ」 とマイナスに捉える人にとっては、非常に重苦しい制約になってしまいます。
お金を払わずに医師になるための道は、このように厳しい義務と引き換えに用意されていることが多いのもまた、医学部受験の現実的な側面なのです。 自分がどのような医師になりたいのか、将来どのような人生設計を立てたいのかを、ご家族と本当によく話し合った上で、これらの制度を利用するかどうかを慎重に決めていってほしいと思います。
第三章 受験料だけで数十万円?私立医学部を併願する時の知られざるお財布事情

1校あたり6万円という重み。親への感謝と受験校選びの葛藤
医学部受験において、お財布を直撃するのは、合格した後の学費だけではありません。 実は、本番を迎える「受験料」の段階から、すでに過酷なマネーゲームが始まっているのです。
皆さんは、大学を1校受験するために、受験料がいくらかかるか知っていますか。
国公立大学の場合、受験料は前期・後期ともに、一律で「およそ1万5000円」となっています。 これに対して、私立大学の医学部の受験料は、 なんと、1校あたり「約6万円」がかかります。
この数字の違い、冷静に考えると本当に恐ろしいものがありますよね。 私立医学部を4校受験するだけで、出願する段階で、受験料のみで「24万円」という大金が飛んでいくことになるのです。 さらに、試験会場が遠方である場合は、そこへの交通費や、数日間にわたるホテルでの宿泊費なども重なってきますから、受験期の出費は一瞬で数十万円の規模に膨れ上がります。
私自身、受験生時代に親から、 「受験料は出すから、行きたいところを出しなさい」 と言われましたが、いざ出願の書類に記入して、何枚もの「6万円」の振込用紙を手にした時、親に対する申し訳なさと、その大金の重みに、胸がギューッと締め付けられるような強い葛藤を感じました。 「この6万円の試験で、もし1問ミスをして落ちてしまったら、親の働いたお金をドブに捨てることになる」という、言葉にできないほどの巨大なプレッシャーを抱えて、受験票を握りしめていました。
受験生の皆さんは、机に向かって勉強できている今の環境や、受験料を支払ってくれるご家族への感謝の気持ちを、どうか忘れないでいてほしいと思います。 その感謝の気持ちこそが、試験本番で「絶対に簡単なミスをしてたまるか」という、あなたの集中力を極限まで高めてくれる、最強のガソリンになってくれるのですから。
学費が高い大学ほど受かりやすい?私立併願における偏差値と倍率のカラクリ
「とはいえ」、そんな高額な受験料を支払ってでも、私立医学部を複数併願することには、国公立一本の受験にはない、非常に強力な戦略的メリットがあります。
国公立大学の受験は、出願できるのが基本的に前期で1大学、後期で1大学の、合計「2大学」に限定されてしまいます。 しかし、私立大学の医学部の場合は、試験日が重ならない限り、何校でも、それこそ10校であっても併願して、何度も医師への切符に挑戦することが可能なのです。
この私立受験の併願について、非常に面白い、そして実戦的な「受験の傾向(カラクリ)」をお話ししておきます。
私立医学部の受験において、 「学費が高い大学ほど、実は偏差値が低くて、比較的受かりやすい(合格しやすい)」 という傾向が、昔から明確に存在しています。
なぜこのような現象が起きるのでしょうか。 理由はとてもシンプルです。 学費が6年間で4000万円を超えるような高い大学は、 「高すぎて、受験すらできない一般家庭の人」や、 「もし合格したとしても、実際にその金額を支払い続けることができずに入学を辞退せざるを得ない人」 が、全国に数多く存在するからです。
その結果、学費の高い大学(例えば福岡大学や、藤田医科大学、川崎医科大学など)は、受けるライバルの層が、学費の安い大学(国際医療福祉大学や、順天堂大学など)に比べて、必然的に少し低くなります。 そのため、要求される偏差値のハードルも下がり、国公立医学部を狙えるだけの実力がある受験生から見れば、非常に合格しやすいセーフティネットになってくれるのです。
しかし、「受かりやすい」からといって油断はできません。 私立医学部は、誰でも何校でも出願できるシステムであるため、全国から何千人もの受験生が一堂に会します。 その結果、実質的な倍率が「20倍や30倍」にまで跳ね上がることが普通です。 受験者数があまりにも多いため、合格を勝ち取るためには、その大学特有の試験形式を徹底的にハッキングし、確実に点数をむしり取るための「特別な対策」が必要不可欠になります。
第四章 マーク形式と癖が強すぎる面接。私立医学部入試を完全攻略するためのアプローチ

答えだけが評価されるマークシート試験の罠と対策
私立医学部の試験形式における、最も顕著な特徴についてお話しします。 国公立大学の二次試験では、あなたの論理的な思考プロセスを細かく評価してくれる「記述式の問題」がメインになります。 しかし、私立大学の入試問題の多くは、記述よりも、 「マークシート方式や、選択問題、あるいは最終的な答えの数値だけを書き込ませる形式」 が、圧倒的に多いという特徴を持っています。
なぜこのような形式になるのかというと、何千人もの受験生の答案を、合格発表までの非常に短い期間で、手作業で採点するのが物理的に不可能だからです。 機械で素早く丸付けができる、共通テスト(センター試験)のような形式にせざるを得ない、という大学側の切実な事情があります。
このマーク形式の試験は、一見すると「記述がないから、簡単そうだな」と思われがちですが、実は受験生にとって非常に恐ろしい罠が隠されています。
マーク形式の試験においては、 「あなたの美しい思考プロセスや、惜しいところまで辿り着いた途中式は、採点において1秒も評価されない」 という、冷酷な現実があります。
最後の最後で、単純な引き算の計算ミスを犯してマークを1つずらしてしまえば、あなたのこれまで積み上げてきたすべての努力と理解は無視され、その大問の配点は一瞬で「ゼロ」になります。 1点で何十人、何百人ものライバルがひしめき合う医学部受験において、この1マスのマークミスは、文字通り一発で不合格に直結する致命傷になり得ます。
だからこそ、私立医学部を併願する人は、日々の勉強において、「やり方は分かっているから、計算はサボっていいや」という甘い態度を、絶対に捨ててください。 面倒な小数の計算も、普段から自分の手を動かして、最後の1桁まで正確に合わせきる、執拗なまでの「正確性」へのこだわりを持つ練習をしておかなければ、本番のプレッシャーの中で合格点を奪い取ることはできません。
あなたはタバコを吸いますか?一見すると意味不明な面接質問の裏にある真意
私立医学部の受験において、記述の筆記試験と同じくらい、あるいはそれ以上に受験生を混乱させるのが、「面接試験」の存在です。 医学部の面接は、他の学部とは異なり、非常に重要視されており、面接で「不適格」と判断されれば、筆記試験の点数がどれだけ合格ラインを超えていたとしても、一発で不合格になる仕組みになっています。
そして、その面接の場で、 「えっ、何でそんなことを聞くの?」 と、受験生が思わず耳を疑ってしまうような、一見すると意図の分からない、癖の強い質問が飛んでくることがよくあります。
例えば、私の実体験や、受験生の仲間たちから聞いた話の中に、以下のような不思議な質問がありました。
「あなたは、タバコを吸いますか?」 「もし、あなたの親友が試験でカンニングをしているのを目撃してしまったら、あなたはどうしますか?」 「自分の性格を、果物に例えると何ですか?」
面接室の冷たい空気の中で、こんな質問を突然されたら、 「え、タバコを吸うかって、私はまだ未成年(あるいは高校生)なのに、どうしてそんな犯罪みたいな質問をするのだろう」 「果物に例えるって、一体何が正解なのだろう、リンゴと答えたら落とされるのかな」 と、頭の中が真っ白になってパニックになってしまいますよね。
実は、私は大学に入学した後、私立医学部の面接官を担当されている本物の先生と直接お話しする機会があり、ずっと気になっていたこの「意味不明な質問の真意」について、本音で尋ねてみたことがあります。 「先生、あの不思議な質問って、一体何を聞きたくて、受験生の何を見ているのですか」と。
面接官の先生は、フッと優しく微笑みながら、このように教えてくださいました。 「あおいんくん、私たちはね、受験生が素晴らしい医療知識を持っているかどうかを見たいわけではないんだよ。私たちが一番知りたいのは、その子が私たちの大学の『アドミッション・ポリシー』に本当に沿っている人物かどうか、それだけなんだよ」とおっしゃっていました。
合格の鍵を握るアドミッション・ポリシーの徹底的なハッキング方法
アドミッション・ポリシーという言葉を、皆さんは聞いたことがありますか。 これは、それぞれの大学が掲げている「求める学生像」や「教育の特色」を表した、いわばその大学の理念(憲章)のことです。
大学のパンフレットや、ホームページの最初のページに、必ず分かりやすく記載されています。 例えば、 「将来、地域の医療に貢献する強い意志を持つ人」 「協調性があり、チーム医療を牽引できるリーダーシップを持つ人」 「豊かな人間性と、高い倫理観を兼ね備えている人」 といった、その大学が「こういう学生に入学してほしい」というラブレターのようなメッセージが書かれています。
面接官の先生方は、あの不思議な質問を通して、あなたがこのポリシーに合致した人間性を持っているかどうかを、多角的に、そして本質的に探っているのです。
例えば、「タバコを吸いますか」という質問です。 医師を目指す者としての「高い倫理観や健康に対する自覚」があるかどうかを、ストレートに試しています。 ここでは、ただ「吸いません」と答えるだけでなく、 「医師は人々の健康を守る立場であるため、自らの健康管理にも人一倍の責任を持つべきだと考えています。ですから、私はタバコは吸いませんし、将来も吸うつもりはありません」 というように、大学の求める倫理観(ポリシー)にしっかりとアジャストした受け答えができるかどうかが、大きな加点ポイントになります。
「果物に例えると何か」という質問も、あなたのひらめきや面白さを試しているわけではありません。 「私は、地道に時間をかけて甘い実をつけるミカンのような人間です。最初は地味ですが、コツコツと努力を積み重ねて、将来は地域の患者さんに温かさを届けられる医師になりたいです」 というように、どんな果物を選んでも構いませんから、それを自分の長所や、大学の求める「誠実さ」「地域への貢献」といったポリシーに、論理的に結びつけて自己アピールができるかどうかの「論理的思考力と表現力」を見ているのです。
「というわけで」、私立医学部、あるいは国公立大学の面接試験に挑む受験生の皆さんは、ただ綺麗に自己紹介をする練習をするのをやめてください。 受験する大学の「アドミッション・ポリシー」を、事前にこれでもかというくらい徹底的に読み込んでください。 そして、 「この大学は、どんな人間を求めているのだろう」 「自分のこれまでの人生のどのようなエピソードが、このポリシーに合致するだろう」 ということを、徹底的にハッキングし、面接のすべての受け答えの軸にそのポリシーを一本、スッと通してあげるように準備をしてください。
このゴールを見据えたスマートなアプローチを行うだけで、あなたの面接での説得力と合格可能性は、ライバルたちを遥かに凌駕して、劇的に高まっていくはずです。
終わりに:今流している汗は、必ず未来の自分の力に変わります
今回は、私が宮崎大学医学部に合格するまでのリアルな受験経験に基づいた、「夏休み前に絶対にやっておくべき、傍用問題集を用いた完璧な勉強計画の立て方」について。 そして、受験生の誰もが直面する「医学部6年間の学費や受験料のシビアな現実、私立受験におけるマーク形式と面接試験の完全攻略法」について、たっぷりと語らせていただきました。
読者の皆さんが今抱いている、「夏休み前に応用問題が解けなくて焦ってしまう不安」や、「経済的な問題で医学部受験を諦めなければならないかもしれないという葛藤」は、かつて私が、複数の私立を併願しながら、高額な受験料の振込用紙を前にして震え、自分の実力のなさにため息をついていたあの頃と、何一つ変わりません。
しかし、今日お話ししたように、今あなたが、派手な応用問題に目移りするのをグッと我慢して、目の前にある地味な傍用問題集と愚直に向き合っているその努力は、決して無駄にはなりません。 それらの地道な基礎の積み重ねこそが、秋以降にあなたの学力を劇的に引き上げ、合格への切符を確実に手繰り寄せることが可能な、最強の翼になってくれます。
そして、お金の問題で悩んでいる人も、自治医科大学のような特別な制度を知り、アドミッション・ポリシーを徹底的にハッキングして面接を突破するスマートな戦略を立てれば、医師への道は必ずどこかに、美しく開かれています。
長く、過酷な受験生活。 特に夏を前にしたこの時期は、暑さも厳しくなり、体力的にも精神的にも、一番きつくて心が折れそうになる瞬間が何度も訪れると思います。 しかし、あなたが今、スマートフォンを置いて、クーラーの効いた自習室で「次こそは絶対にできるようにするぞ」と、汗を拭いながら問題集を開いているその姿勢は、本当に立派で、何よりも美しい挑戦の姿です。 その努力は、裏切ることなく、必ず将来、自由で眩しいキャンパスライフと、医学という素晴らしい学問の面白さへと繋がっています。
どうか、自分自身の無限の可能性と、これまで積み上げてきた地道な努力を信じて、今日やるべき目の前の課題に、全力で向き合ってください。 あなたがすべての制限と不安を跳ね除けて、春に笑顔で医学部の門をくぐり、私たちと同じように素晴らしい医師への道を歩き出せる日を、宮崎の地から心より応援しています。
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